私は、小説の世界において、
世界は3つに分類されると思う。
それを仮に、第1、第2、第3と名づける。

第1世界というものはいわゆる「リアリティーな現在」。
身近な出来事をそのまま、飾り気無しに書くことによって読者の共感を得る。

第2世界は「幻想」。
現実とはかけ離れ、ありえないことを書くことで、
現実逃避を望む読者に愛される。

そして、第3世界。
これは「啓示」の世界。
要するに哲学が現実と幻想をつなぎ、
ありえそうでありえない世界をリアルに描いてある。
私はこの第3世界を極めることが、
小説を極めることだと思う。
哲学というものは面白いもので
現実にあたり前のことをイリュージョンな視点で文章にする。
例えば「アンリ・ベルグソン」の「物質と記憶」から抜粋すると、
「純粋な現在とは、未来を喰っていく過去の捕らえがたい進行である。
あらゆる知覚とは実はすでに記憶なのだ。」
これを良く考えてみると、「ああ、本当だ」と思う。
これをただ難しいとひとくくりして、
「わかんない!!」と放り出すことは実にもったいないと思う。
だからといって哲学を学べといっているわけじゃない。
私が言いたいのは、第3世界の小説をもっと愛してほしいということ。
このせわしない現在、現実に縛り付けられるのも、幻想に逃れてしまうのも、
どっちも罪なように思われる。
だから、第3世界のリアルとイリュージョンのコラボレーションに触れてほしい。
実際、第3世界の小説は今、静かに波を起こしつつある。
ブームになると、その本質が見えなくなってしまうのは必死である。
だから、今出版されている第3世界の小説を是非お勧めしたい。



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